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高山スタディ|岐阜県高山市

 

コメを主食にする日本人は、

心臓血管疾患になりにくい!

 

岐阜大学大学院医学系研究科疫学・予防医学分野の和田恵子准教授らのグループによる医学雑誌論文によると、

 

『日本人男性はコメの摂取量が多い人ほど心筋梗塞や狭心症、脳卒中などの心血管疾患による死亡リスクが低い』と分析している。詳細は「Nutrients」5月30日掲載。

 

和田恵子准教授の論文によると、

岐阜県高山市の住民を対象とした大多数の疫学研究がおこなわれているコホート研究「高山スタディ」のデータを基に、コメ、パン、麺という日本でよく主食として食べられている食材を比較検討しながら、心臓血管疾患による死亡の危険性と食生活習慣の関係性が検討された。35歳以上の住民3万1,552人の研究参加者のうち心臓血管疾患にかかったことがない2万9,079人、(このうち男性45,9%)を対象として解析が進められた。

1992年9月から2008年10月まで追跡調査した結果で、1,685人(男性が46.2%)の人に心臓血管疾患による死亡が認められ、コメの摂取量との関連を検討すると、男性ではコメの摂取量が多いほど心臓血管疾患による死亡が少ないという有意な関係が認められた。一方、パンの摂取量と心臓血管疾患死リスクとの有意な関係は認められず、麺の摂取量との関連をみると、麺が多いほど心臓血管死リスクが高いという結果でした。

しかし体重、喫煙・飲酒、運動習慣、糖尿病、高血圧などの因子を加えて検討すると、麺の摂取量と心臓血管疾患死との関係性はありませんでした。

 

これに対して女性では、コメ、パン、麺のいずれも、男性でみられたような心臓血管死リスクとの有意な関係性はありませんでした。

 

以上の結果より、日本人の男性に限ってみると、コメの摂取量が多いほど心臓血管死の危険性が低くなることが証明された。女性でこの関係がなかったのは、女性の方が菓子類の摂取量が多いほどコメの摂取量が多いといった男性にはない関連性の影響があることなどが関連していることが述べられている。

 

※「高山スタディ」について|岐阜大学

※ 原著論文は、こちらから