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サンタクロース(100年ほど前の社説) アメリカ

 

サンタクロースはいるのですか?

Is there a Santa Claus?

 

今から100年以上も前の

 

1897年9月21日 アメリカ合衆国

ニューヨーク・サン社の【社説】のお話です。

The New York Sun

 

当時8歳の女の子(ヴァージニア)が、ニューヨーク・サン社の編集部に「サンタクロースはいるのですか」という手紙を送りました。

これに対して、ニューヨーク・サン社の論説委員フランシス・チャーヤが社説に返事を書いた内容です。

 

この「ニューヨーク・サン社」の心温まるストーリーは、その後アメリカ中の感動を呼びました。

 

「サンタクロースっているのでしょうか?」2000/11/27(単行本)

 

サンタクロースがいることを証明した有名な社説(1897年)

ヴァージニア・オハンロン(8歳)がサン紙に送った手紙
ヴァージニア・オハンロン(8歳)がサン紙に送った手紙
こんにちは、しんぶんのおじさん。
わたしは8さいのおんなのこです。 じつは、わたしのともだちはサンタクロースはいないというのです。 パパは、「わからないことがあったら、サンしんぶん、」というので、ほんとうのことをおしえてください。
サンタクロースはいるのですか?           ヴァージニア・オハンロン  115 西95番街

ヴァージニア、それは友だちの方がまちがっているよ。きっと、何でもうたがいたがる年ごろで、見たことがないと、信じられないんだね。自分のわかることだけが、ぜんぶだと思ってるんだろう。でもね、ヴァージニア、大人でも子どもでも、何もかもわかるわけじゃない。この広いうちゅうでは、にんげんって小さな小さなものなんだ。ぼくたちには、この世界のほんの少しのことしかわからないし、ほんとのことをぜんぶわかろうとするには、まだまだなんだ。
 じつはね、ヴァージニア、サンタクロースはいるんだ。愛とか思いやりとかいたわりとかがちゃんとあるように、サンタクロースもちゃんといるし、そういうものがあふれているおかげで、ひとのまいにちは、いやされたりうるおったりする。もしサンタクロースがいなかったら、ものすごくさみしい世の中になってしまう。ヴァージニアみたいな子がこの世にいなくなるくらい、ものすごくさみしいことなんだ。サンタクロースがいないってことは、子どものすなおな心も、つくりごとをたのしむ心も、ひとを好きって思う心も、みんなないってことになる。見たり聞いたりさわったりすることでしかたのしめなくなるし、世界をいつもあたたかくしてくれる子どもたちのかがやきも、きえてなくなってしまうだろう。
 サンタクロースがいないだなんていうのなら、ようせいもいないっていうんだろうね。だったら、パパにたのんで、クリスマスイブの日、えんとつというえんとつぜんぶを見はらせて、サンタクロースをまちぶせしてごらん。サンタクロースが入ってくるのが見られずにおわっても、なんにもかわらない。そもそもサンタクロースはひとの目に見えないものだし、それでサンタクロースがいないってことにもならない。ほんとのほんとうっていうのは、子どもにも大人にも、だれの目にも見えないものなんだよ。ようせいが原っぱであそんでいるところ、だれか見たひとっているかな? うん、いないよね、でもそれで、ないってきまるわけじゃない。世界でだれも見たことがない、見ることができないふしぎなことって、だれにもはっきりとはつかめないんだ。
 あのガラガラっておもちゃ、中をあければ、玉が音をならしてるってことがわかるよね。でも、目に見えない世界には、どんなに力があっても、どれだけたばになってかかっても、こじあけることのできないカーテンみたいなものがかかってるんだ。すなおな心とか、あれこれたくましくすること・したもの、それから、よりそう気もちや、だれかを好きになる心だけが、そのカーテンをあけることができて、そのむこうのすごくきれいですてきなものを、見たりえがいたりすることができる。うそじゃないかって? ヴァージニア、いつでもどこでも、これだけはほんとうのことなんだよ。
 サンタクロースはいない? いいや、今このときも、これからもずっといる。ヴァージニア、何ぜん年、いやあと十万年たっても、サンタクロースはいつまでも、子どもたちの心を、わくわくさせてくれると思うよ。

サン紙に掲載された【社説】
サン紙に掲載された【社説】