水温5℃の「真冬の冷たさの水」と、15℃、25℃の水を使い吸水させ、吸水量の増加速度を実験すると、
25℃は急速に水を吸い込み60分で飽和状態、
15℃では、90分、
冷たい5℃では、120分必要となります。
ところが、同じ量を吸い込んでも吸水された米の状態が違います。
冷たい水でゆっくりと吸水された米は、
米の組織の隅々にまで行き渡り、
良質の粘りが強くなり、硬さが減少するのです。
しかも、保存性も良くなり、劣化速度が遅くなるのです。
とにかく、夏場は温かい水での炊飯は禁物です。
水に浸けた米を冷蔵庫に一晩など、低温で長時間おくのほうが美味しいごはんになります。
炊き始めから沸点に達するまでの温度差があればある程、炊き上がりのごはんが美味しくなります。
だから、炊くときの水はできるだけ “冷たい水” を使ってください。
ところで、殆どの米は2時間(120分)~3時間(180分)で完全に飽和状態になり、それ以上は吸水しません。ただし、約半日(12時間)以上吸水させていると米の旨みや、デンプン質が水に溶解して米粒は砕けやすく、「ベチャッ」としたご飯になり、光沢や食感の悪いご飯になります。
また、夏場は特に水が腐敗しやすく、菌が発生するので、常温で長時間おくより、冷蔵庫に入れておくことをおすすめします。
また、洗米後の米を水に浸けずに「ザル」にあげてしまうと、米の表面が乾燥して米が割れやすくなり、さらには、水に浸けていないため糖が出てこないうえに、芯が残ったご飯になってしまうことから、避けたほうがよいでしょう。
新米など品質の良い米の場合は、「ザル」にあげておかないほうがよいのですが、古米など品質があまり良くない米などは、ザルにあげておくと微細なひびが入って吸収しやすくなり、かえって軟らかいご飯になります。
お米の浸漬時間が低く(5℃)浸漬時間を長くする(120分)と炊きあがった
ごはんは軟らかくなり、かつ粘りは増加し品質が向上します。
また、ごはんの保存中の水分蒸発も少なく、良食味が長時間保存されます。
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