
コメに免疫活性化成分 白米とぬかの間に含有
≪香川大医学部 稲川裕之准教授≫
コメのでんぷん組織(白米)と、ぬかとの間に挟まれている「亜糊粉層」という部分に、人間に生来備わっている免疫機能を活性化させる成分が多く含まれることが5月3日、香川大医学部などのグループの研究で分かりました。
香川大の稲川裕之准教授は「毎日食べるご飯で生活習慣病を予防でき、コメの高付加価値化にもつながる」と研究の意義を説明しています。この成分は「糖脂質」と呼ばれ、朝鮮ニンジンやワカメにも多く含まれています。
研究グループが亜糊粉層を残したコメを調べたところ、1グラム当たり0・53マイクログラムと白米の5・9倍の糖脂質が含まれていました。
稲川准教授によると、糖脂質は体内の免疫の働きを活発にし、生活習慣病や感染症の予防、がんの増殖を抑制することが期待できるそうです。
これまで、コメのぬかに多く含まれることは分かっていましたが、食べにくいという難点がありました。一方、亜糊粉層は白米のすぐ外側を覆い、うま味成分を含んでいます。精米機によっては残すことが可能で、味が良いとして既に一部で商品化されています。
研究成果の詳細を、5月25日に名古屋大学で開催される日本栄養・食糧学会で発表されます。
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