政府―TPPに関して関税撤廃で試算
270万トン(32%)が外国産に、価格も大幅に下落か?
日本政府はTPP交渉参加に向けて協議をしていますが、政府はこのほど「関税撤廃した場合の経済効果についての政府統一試算」を公表しました。
それによるとコメについては、
①輸出国が日本国内のニーズに合った短粒種・中粒種の生産を拡大する。
②現状で国産米と遜色ない米国・豪州産米の輸入により国内生産量の3割が置き換わる。
③残る国産米の価格は、輸入米に置き換わる部分の価格低下率(51%)の半分(26%)の価格低下率で下落する。
生産減少額が、合計で約1兆0100億円(生産量減少率32%)減少すると想定しています。
A)差別化できないコメ価格は、117円/㎏(7,020円/60㎏)水準の米国産・豪州産との競合により、国産平均価格241円/㎏(14,460円/60㎏)水準より124円/㎏下がる。その他の米も62円/㎏(26%)下がり、179円/㎏(10,740円/㎏)になる。減少額は3,300億円。
B)差別化可能な新潟コシヒカリ並の優良銘柄も影響を受け74円/㎏(26%)下がり214円/㎏(12,840円/㎏)となる見通しとなっています。減少額は400億円。
C)競合に置き換わるのは、国内生産量847万トンのうち、32%相当の270万トン(内訳はアメリカ210万トン、豪州60万トン)が外国産になる試算。減少額は6,500億円。
しかし、いくら生産コストが安いといっても、
①米国、豪州、中国には水資源に制約がある。
②晩生で冷害リスクの高いコシヒカリが容易に増産できるか疑わしい。
(品質もそこそこという難問をクリアする必要がある)
③日本産と同等で遜色ない米質の実現もそう簡単ではない。
ただし、これは参加と同時に関税を全て撤廃した場合であり、安倍首相も言っている通りこの通りになることはないと思われるが、交渉ごとなのでどうなるかわかりません。
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