麦は、大麦・小麦・ライ大麦・エン大麦があります。日本では主に大麦と小麦が栽培されています。
大麦には「皮麦」と「はだか麦」があり、皮麦は小麦よりも粒が大きいのですが、はだか麦と小麦では粒の大きさはほとんど差がありません。大麦はイネ科の植物で、実のなる穂の形によって「二条種(にじょうしゅ)」と「六条種(ろくじょうしゅ)」とがあります。
一般的に二条種の方が粒が大きく、別名「大粒大麦(だいりゅうおおむぎ)」と呼ばれ、六条種は「小粒大麦(しょうりゅうおおむぎ)」と呼ばれています。また、大麦の中には子実の外皮が剥がれやすく、粒が裸になる種類があり、「はだか麦」と呼ばれています。したがって、大麦はその特徴から、二条大麦と六条大麦、皮麦とはだか麦、うるち種ともち種に分類されます。
皮麦とはだか麦
皮麦は、穀皮(お米のモミの部分にあたる)が子実に密着していて皮が剥がれにくくなっているものをいいます。はだか麦は、皮に糊状物質がなく、脱穀すると皮が容易に離れて小麦のようにツルツルの子実が現れます。
うるち種ともち種
お米に「うるち米」と「もち米」があるように,大麦にも「もち性」と「うるち性」があります。種子中のデンプンはアミロースとアミロペクチンの2種から構成されていますが、アミロースの割合が少なくなると、デンプンに粘りがでて「もち性」となります。もち性の大麦のことを通称「もち麦」と呼びます。
※黒条線※
麦類の種子には、種子の片面に腹溝とよばれる太い線が一本あります。腹溝は種子が形成される際の水分や養分の通り道となってお り、大変重要な役割を担っています。 この腹溝は種子を精白しても残存しますので、麦ごはんの麦には「黒条線」とよばれる黒い線がみられます。 近年、黒条線に沿って麦粒を切断し、黒条線を取り除いた米粒麦などが、麦ごはん用の商品として広く市販されています。
※平成23年産麦の検査結果(確定値)
※はだか麦のβ-グルカン
※裸麦と大麦
愛媛県は、はだか麦の作付面積、生産量が25年連続全国1位です。(国内シェア38%)温暖で雨が少ない愛媛県は、冬場の裏作が可能で、また瀬戸内海式の気候と、排水が良い土壌であるため、「はだか麦」の生産に適しているのです。
※愛媛の麦作
区分 | 内 容 |
小 麦 | 大部分が食用として小麦粉にされ、パンやめん類、お菓子などに使用されます。 |
二条大麦 |
穂の六列(条)のうち、2列に実がつきます。 主に麦ごはんとして食べますが、その他の用途として、 主にビールや麦焼酎などのお酒の原料に使用されます。 |
六条大麦 |
脱穀すると簡単に穎(えい)(穀粒を包んでいる皮)がとれます。 主にお米と一緒に炊いて麦ごはんとして食べたり、焙煎して麦茶として飲んだり、 麦みそに使用されます。 |
裸 麦 |
脱穀すると簡単に穎(えい)(穀粒を包んでいる皮)がとれます。 主に麦ごはんとして食べる他に、麦味噌や焼酎の原料にもなります。 |