おすすめ保存法(冷蔵庫)
お米は野菜と同じで生鮮食品です。お米も鮮度が命!
お米の保存は、温度が低く、湿度が少なく、直射日光が当たらない暗い場所!
(湿度70%前後、温度15℃以下)
ポイントは、美味しいままを、密閉すること!
お米は気温20℃以上になると保存容器内に虫が発生しやすくなります。
お米を保存する上で気をつけたいポイントは、
1. 保存場所、2. 保存容器、3. 保存期間 の3つです。
お米の寝床は、米びつから「冷蔵庫・野菜室」へ
お米の保存場所…冷蔵庫の「野菜室がおすすめ」で冬眠!
お米に付く虫は、18℃以上で多湿の条件が揃うと発生します。お米の保存は、比較的涼しい場所(10~15℃)を選び、温度・湿度が低く直射日光の当たらない暗いところが適します。必ず直射日光を避けて下さい。お米は、貯蔵する温度を10℃下げることで、酸化する速度を半分近く遅らせることが出来るので、冷蔵庫の野菜室で保管すると、常温より2倍も美味しさが持続されるのでおすすめです。お米は空気に触れることでヒビ割れの原因になり、食味の低下が早くなります。空気に触れないよう密封して下さい。
お米は野菜や果物と同じように「生もの」です。お米の保存は、野菜と同じと覚えておきましょう。
(注意点)冷蔵庫内の冷気の噴出し口の側には、置かないで下さい。
また、カビの発生にも注意して下さい。台所の流しなど湿気の多い場所で保管すると、お米に水がかかったり、湿気を吸ってしまいカビが発生する原因と考えられます。特に、春から秋にかけて気温の温かい季節はカビが発生しやすくなるので要注意です。お米の下の部分だけがカビた場合は、湿気の原因が多く、上の部分だけがカビた場合は、水がかかったことが原因と考えられます。(防水対策が必要です。)
お米の保存容器 …お米は、臭いを吸ってしまいます!
米の保存容器で一般的なのは「米びつ」だと思います。ボタンを押すだけで一定量が出てきて便利なものですが、新しい米を入れる前にはきれいに掃除をするようにしましょう。容器に付着した古い米のぬかやゴミなどを放置することは、虫などが発生する原因になってしまいます。お米の注ぎ足しは禁物で、古い物を全部使い切ってから新しい物を入れるようにして下さい。米びつを使われていない場合は密閉できる容器に保存すればよいでしょう。密閉容器に入れ、空気を遮断することが大切で、こまめに掃除を行ってください。お米は精米直後から酸化が進み、徐々に本来の風味が損なわれてきます。
お米は空気に触れていることで乾燥してしまい、酸化が進んでしまうので、空気に触れる面積をなるべく少なくするよう密封して保管して下さい。保存容器は、真空容器が良いのですが、チャック付きのビニールパックや蓋つきのプラスティック容器、小さいサイズのペットボトルや牛乳パック(クリップ使用)の方法も良いと思います。乾燥した室内のお米を密閉せずに置いておくと、表面にヒビが入ってしまい、更に乾燥するとお米が割れてしまいます。このような状態で保存されたお米を炊飯すると、ごはんがベタついて美味しさが損なわれます。
また、お米のは無数の小さな穴があいていて、臭いを吸収しやすい性質があり、お米は臭いを吸ってしまうので、洗剤や香水(化粧品)、灯油、ガソリンなどの臭いの強い物と一緒に保存すると臭いが移る場合がありますので一緒に置かないようにして下さい。一度付いてしまった臭いはとることができません。
お米の保存期間 …お米は生きていて、常に呼吸をしています!
お米も野菜と同じように鮮度が大切です。専門の業者がもみや玄米の状態で低温貯蔵すれば長期間にわたって鮮度を保てますが、精米された状態で時間が経てばどうしても味は落ちてしまいます。
適量をこまめに買うことが秘訣です。目安として、冬場なら2カ月以内、春秋なら1カ月、暑い夏場ならば2週間以内に食べきれるくらいの量を購入されることがおすすめです。
精米した米を常温で保存しておくと、1ヶ月程度からデンプンを分解するアミラーゼという酵素の働きが衰え、米を水に浸けている時でも、炊いている最中でも、デンプンやタンパク質の分解が十分に行われないので、精米したての時に感じた甘みが出なくなります。また、組織が硬くなるので、どうしても炊き上がり具合が硬めに感じてしまいます。
当店での玄米の保管は、「温度15℃以下」「湿度73~74%」で、カビ・貯蔵害虫・胴割粒発生の防止に努力しています。
「米びつ」をこまめに掃除しましょう
米びつの内側全面と四隅の汚れと、計量機能付きの米びつでは、更に計量口の中(この部分に虫が卵を産み付ける)と後ろに注意が必要です。米びつの内側に手を入れると、指先に「粉」のようなものが付いて白くなる場合は、すぐに掃除が必要です。それは、ヌカや米がかなり乾燥(酸化)して「粉」になったものです。特に、気をつけたいのが古いお米を完全に使い切ってから新しい米を入れること。 お米を注ぎ足すと古いお米が新しい米に悪さをして劣化を進め、虫をが湧せてしまいます。
したがって、米びつに、まだ米が残っている時は、必ず上から新しい米を足したりしないで、一度は米びつを空にし、毎回内部をこまめに掃除してから、新しい米を入れて下さい。
お米の賞味期限
お米の賞味期限は、
温度25℃で2ヶ月、20℃で3ヶ月、
15℃で5ヶ月、5℃で7ヶ月程度です。
なお、この賞味期限は食べられなくなる期限ではありません。貯蔵開始時と比較して食味に差の出る期限です。常温保存すると食味が悪くなってきます。
夏場の時期に、冷蔵保管(5~10℃)の精米と常温の精米を比較すると、後者の方が30日頃から食味が低下し、60日で急激に低下します。また、20℃で保管の精米と常温の精米では60日後でも食味の低下が見られません。お米の保管は、温度が低ければ低いほど品質保持効果が高くなります。
※お米の保存状態が悪いと下記のようなことが発生します。
① 長期間保存すると食味が悪くなり、ツヤや粘りがなくなります。
② 高温・多湿の場所で保存すると、変色したり、虫・カビが発生します。
③ 水濡れするとカビが発生します。
④ 臭いのあるところに保存すると移り香があります。
⑤ 日光や乾燥した空気にさらすとお米がヒビ割れ、米飯がべとつくことがあります。
⑥ 保存容器の掃除を怠ると虫が発生します。
⑦ 低温で保存していたお米を高温・多湿のところで保存するとお米が結露し、カビが発生します。
長時間、ごはんを電子ジャーなどで保存しておくと、ごはんは変質してしまい、味が落ちるだけでなく、細菌繁殖(さいきんはんしょく)の原因にもなりかねません。電子ジャーなどでの保存は、24時間保温対応のものや40時間保温出来る機種もありますが、美味しく食べたいのなら6時間以内が最適です。頼りすぎないように注意しましょう。
また、冷蔵庫の中でもお米の酸化は進むので、冷蔵庫での保管する場合は長期の保存はお薦め出来ません。出来るだけ、残ったご飯は、冷凍保存して下さい。
① 温かいうちに冷凍をする
ご飯が温かいうちにラップに包むか、ご密閉容易に入れ、すぐ冷凍室に入れるのがポイントです。
よく、“ご飯が温かいうちにラップに包み、ご飯が冷めたら冷凍室に入れる”という人がいますが、冷めてしまうとβデンプン(老化デンプン)が老化して食味が悪くなるので、やめた方が良いです。
温かいうちに冷凍室に入れて急速に冷凍させたご飯は、電子レンジでチンすれば、炊きたての風味がよみがえります。
② なるべく薄く、ップフィルムに包む。
でこぼこがあると、電子レンジの電子線の吸収にむらができ、おいしく解凍されなくなってしまいます。
※賞味期限は、1週間を目途にして下さい。
米びつを使うときに注意することは、内側全面と隅の汚れで、計量機付きの米入れはさらに計量口の中と後ろの汚れです。米びつの内側を指で擦ってみた時に、指先に粉のようなものが付いて白くなるようでしたら、すぐに掃除をしないといけません。それはヌカや米が乾燥して粉になったものです。そのままにして米を入れてしまうと、新しい米に悪さをして老化を進めてしまうだけでなく、虫が湧いてしまう可能性が高くなります。
さらに、米は空気に触れていると乾燥や酸化が進んでしまうので、米びつの中の米の上に蓋をして、空気に触れる面積をなるべく少なくしておいた方が良いでしょう。計量機付きは、米びつの内側全面と隅の汚れだけでなく、計量口の中と吐き出し口、さらに吐き出し口の後ろの汚れについてもしっかりと落として下さい。計量口の部分は掃除がしにくいため、どうしても掃除を怠りがちになりやすいのですが、この計量口の部分に虫が卵を産み付けることが多いために、この部分をしっかりと掃除しておかないと、それ以降は虫が湧きやすくなってしまいます。
また、精米した米を常温で保存しておくと、1カ月程度からデンプンを分解するアミラーゼという酵素の働きが衰えてきます。酵素の働きが衰えてしまうと、米を水に浸けているときでも、炊いている最中でも、デンプンやタンパク質の分解が十分に行われないので精米したての時に感じた甘みが出なくなります。
保存場所は、「冷蔵庫(野菜室)」が最適!!
冷凍室以外なら冷蔵室でも野菜室でも良い。その際は、乾燥を防ぐため必ず≪密閉容器≫に入れて下さい。ペットボトルは空気を遮断できるのでお勧めです。お米は、空気に触れると、酸化してしまい、乾燥により水分量が減って米が割れやすくなります。精米した米を常温で1ヶ月保存しておくと、お米を炊いても甘みはあまり出ません。「冷蔵庫」で保存しておくと劣化防止となります。お米の保存期間は、空気を遮断したとしても、精米後1ヶ月くらいの間に、食べきれることが良い。
お米の結露
米の温度が低く、周囲の空気が高温・多湿の場合、米の表面に結露します。例えば、外気の温度25℃、湿度70%の場合、米の温度が約19℃以下になると米が結露します。空気中には、水蒸気が含まれています。その空気の温度を下げていくと水蒸気が、水滴になってコップのまわりに付く現象があります。これは、コップのガラスの表面温度が外の空気の露点温度より冷えているため水蒸気が水滴になって付着したものです。このことを結露といいます。このように空気の温度を下げていき、空気に含まれる水蒸気が水滴になり始める温度が、その空気の露点温度です。
周りの臭いが米に移ることがあります
お米は臭いを吸収しやすいので、臭いの強いもの「芳香剤、洗剤、化粧品、防虫剤、殺虫剤、防臭財、灯油」などと一緒に米を保管した場合は、臭いが移ります。よって、臭いの強いもののそばでの保存は避けなければいけません。
お米の袋には、積んだ時の空気抜きのために、小さな穴があいていることがありますから、未開封の場合でも、念のために、そのような場所での保存は避けるべきです。
また一度ついてしまった臭いは、健康に影響することはほとんどありませんが、残念ながらとることは出来ません。
梅雨の時期から夏季にかけてお米の変色が多くみられます。変色の原因として、カビやバクテリアなどの「菌」が考えられます。注意点として、米びつや米袋の中に水に濡れた手や計量カップの濡れたものを入れないことです。
また、白米を洗米して白米の色はきれいな白色でしたが、炊飯した後のご飯の一部が黄色~褐色に変化することがあります。原因として、一つは土壌中に生息している枯草菌の変種であるエクアドル茶米菌が米に付着し、白米を洗米した後、高温多湿の状態で放置される(水浸した状態で長時間放置したり、ザルで水切りした後、長時間放置している場合)と菌が増殖し、スブテノリンという物質を産生したと考えられる。このスブテノリンは、炊飯前には異常はありませんが、炊飯により酸化が進み、黄色から褐色に変化します。対策として、米を十分に研いて洗米した後、長時間暖かい場所に放置しないなどに気をつければ防げます。特に、気温が比較的高い時期や高い湿度の室内が要注意です。(台所の掃除の徹底が大切です)
このエクアドル菌は、どこの土壌にもいる枯草菌の一種です。納豆菌の親戚と考えてください。エクアドル菌による米の変色は、蒸した大豆に納豆菌が増えると褐色に変化していく現象と同じです。食べても人体に害はありませんが、見た目が変化し臭いも発生します。また、電子ジャーなどで保温している時に、米粒がかたまり状に黄変する現象は、メイラード(アミノ・カルボニル)反応と呼ばれ、米飯中のアミノ酸と糖が反応してできた物質(メラノイジン)の色で細菌によるものではありません。この反応は、温度が高いと起こりやすく、炊飯器保温は70℃付近のため、反応が進みやすくなります。
メイラード反応とは、例えばたい焼きを焼くと白っぽい生地はメイラード反応を起こし褐色になります。メイラード反応は、糖分とタンパクやアミノ酸が反応しておきる化学反応です。米の場合では、デンプンが分解された糖分とヌカ由来のタンパクやアミノ酸が化学反応して発生します。温度が高いと反応しやすいため、炊飯器の内部は高温なので、特に反応が進みやすくなります。炊飯前でも米の保存状態が悪いとメイラード反応が起きやすくなります。米の表面に付着している雑菌が高温多湿で繁殖した場合などです。米を完全に殺菌するためには、121℃以上で4分間以上加熱する必要がありますが、この黄化の原因を起こす菌は熱に強く、水の沸騰温度(100℃)程度で炊く市販の炊飯器では殺菌できません。二つめの原因として、冷蔵庫内に長時間保管して置いた場合、シュードモナス属の低温細菌に汚染され、ピオベルジンという色素が生成したことも考えられます。ピオベルジンは加熱すると黄色から橙色に変色して「赤めし」と呼ばれる現象を引き起こします。
炊き上がったご飯を長時間保温状態にしておくと、色が黄ばんで食味も悪くなります。(アミノカルボニル反応)また、揮発性の物質ができて不快なにおいとなります。そして、一番問題となるのは、細菌の繁殖です。もともとお米には耐熱性のある菌(パチラス・セレウス菌)が付いており、これは100度Cで加熱しても死にません。だから、炊いたご飯を保温状態で、長時間おいておくと菌が繁殖して、食品衛生上良くないのです。菌が多量に繁殖したご飯を食べると下痢をすることがあります。
保温時間は、食事をしている間、せいぜい1時間程度にとどめ、残ったご飯は冷凍保存したほうが良いです。