≪胴割れ米≫
米粒の内部(胚乳部分)に亀裂を生じる現象。胴割れの形状は、横1条の亀裂が通る場合が多いですが、程度が重くなると横に2条以上生じたり、縦に亀裂を生じたりするほか、亀甲型の亀裂を生じるものもあります。
米粒は、外界の湿度に敏感に反応して水分を吸収または放出します。完熟した米粒は硬いので、そのような膨脹や収縮が急激に生じると内部に圧力の不均衡が生じ、それに耐えきれなくなった米粒に内部亀裂が生じます。完熟した米粒内の急激な水分変化により、内部圧力の不均衡が大きくなる条件で、胴割れは生じます。
コメの胴割れの発生は従来、生産現場での刈り取りが遅れて米粒の含水率が大きく低下した状態で降雨にあったり、収穫後の乾燥調整の際に、籾を急激に乾燥させすぎる処理によって胴割れが増加することが知られており、登熟後期から収穫期以降の圃場に通水する水管理や適期刈り取りの励行など生産管理が重要視されてきました。
しかし、適期に収穫してもなお胴割れが認められる、との声も聞かれ胴割れ発生と開花後の気象条件との関係が調べられ、意外にも登熟初期の気象条件が関わっていて、特に出穂後6-10 日の高温が特異的に胴割れ発生を増加されることがわかってきました。
さらに、最近の報告によると日中の最高気温の影響が夜温より強いことが影響し、このような登熟初期の短期間の高温ストレスが胴割れ発生の主要因であると報告されています。
地球温暖化による気温上昇が今後も予測されるため、胴割れによる品質低下が将来増加することが懸念されています。
※精米時に粒が砕け精米歩留まりや食味が著しく低下する(流通上うまみのない米)
※炊飯時に粒がくずれ食味低下の大きな原因となる(食味が良くない米)
※1等米になっても市場からのクレームが多く販売競争力が低下する(売れ残る米)